あれから 6ヶ月〜輪島と能登半島の復興への道〜

Written by BCCJ
July 1, 2024

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Written by BCCJ
July 1, 2024

この記事はBCCJのインターンシップスタッフにより和訳されたものです。

 

6月17日、在日英国商業会議所(BCCJ)のチーム(9名)が石川県輪島市に向かい、3日間のボランティア活動を実施しました。1月1日に発生した能登半島地震は現地に甚大な被害をもたらし、現在でも日々復興に向けて作業が続けられています。 前回の訪問(2月8日)と比較すると、顕著な復興の兆しが見られるものの、課題はまだまだ多く残っており、 仮設住宅の建設状況は半数程度で、市内には依然として倒壊した建物は残されているほか、水道や電気の供給も宅内までの供給が完全に復旧しているとは言えず、輪島市の企業792社のうち408社が何らかの形で営業を再開するまでに留まっているなど、引き続き多くの人々の助けを必要としている状況です。

輪島市の仮設住宅の空撮写真

1日目

現地到着後、BCCJは輪島市商工会議所の代表者たちと会い、現状について説明を受けました。今回の焦点は、輪島市が直面している短期的・長期的な課題と、復興支援において私たち国際社会がどのような役割を果たせるかを理解することでした。

現状での課題は以下の通りです。

・建設労働者や電気技師など、街のインフラ復旧に欠かせない重要な人手の不足

・雪、雨水、高温などの自然現象による建物の劣化

・不動産所有者の所在や相続問題による、解体や清掃作業の遅れ

・子どもたちが屋外で安全に遊べる場所の不足

・交通の便の悪化による、物資の供給の遅れ

・特に朝市での瓦礫の撤去が遅れていること

長期的には、基盤の揺らいだ輪島の経済基盤をどう活性化させるかが懸念されます。しかし、地元の人口は約30%減少し、地域経済や地元住民からの商売で生活を紡いでいる方々にさらなる負担を強いている状況です。かつては活気にあふれていた朝市をどのように活用するか、輪島の今後の復興発展に欠かせない次世代を引き留め、惹きつけることができるか、協議が始まっています。

2日目

この日は、BCCJは輪島市災害たすけあいセンターを通じてボランティア活動を行いました。午前中は、取り壊し予定の住宅と魚屋の中の瓦礫の片付けをしました。午後からは、80代のご夫婦が営む家業である、漆器の箸の仕分けと洗浄を行いました。

私たちは、震災からの時間の経過とともに人数が減少しているボランティア支援に、いまだに高い需要があることを体感しました。もし、同僚や友人とのボランティア支援の企画について詳しく知りたい方は、BCCJ([email protected])までメールでお問い合わせいただくか、輪島市災害たすけあいセンターのウェブサイトをご覧ください。

3日目

私たちは、いまだに移転が叶っていない避難者が生活している地元の避難所を訪問しました。私たちが英国の伝統的なお菓子や製品を共有できたことはとても光栄なことであり、製品を寄付してくださった皆様に心からお礼を申し上げます。Louis PommeryWimbledon Garden GinKent CrispsDecimaAbberfrawWelsh Lady JamsBeau and BonGood & Proper Tea、そして自家製スコーンなどなどさまざまな方(敬称略)からの寄付を頂きました。

また、今回もDefender 130をお貸しいただけた、Jaguar Land Rover様にも感謝致します。寄付物資を安全に現地まで運ぶことができ、輪島市の困難な道路状況でも軽快に走ることができました。今回のミッションは、皆様の助けなくして実行できませんでした。

また、BCCJの活動を報道してくださったNHK様にも感謝致します。記事は以下のURLからご覧いただけます。↓

 

能登半島地震の被災地 海外からの支援の輪広がる(NHKニュース)

結論

輪島市や能登半島全域で現在進行中の復興活動から目をそらさないことが非常に重要です。地元産品を購入したり、現地を訪れて地元経済にお金を還元したり、あるいは友人や同僚とボランティア支援を企画するなど、小さなことから大きな違いを生み出すことができます。

BCCJとしては、今年11月に開催されるブリティッシュ・ビジネス・アワード2024で、輪島の工芸品や料理にスポットを当てたいと考えております。

また、BCCJのメンバーであるKlein Dytham Architecture様は、プリツカー賞を受賞した伊東豊雄氏が設立し、アストリッドとマークが理事を務めているNPO「Home-for-All」とともに能登地域で活動しています。「Home-for-All」はこれまでの大地震でも数々の貢献をしており、福島の仮設住宅地に16の「Home-for-All」コミュニティ・ハブを建設し、熊本ではほぼ100の「Home-for-All」コミュニティ・ハブを建設しました。今回の能登半島自身でも同様の活動を行っています。最初の「Home-for-All」は、能登半島の最果ての小さな街である、狼煙町に建設され、2024年9月にオープンする予定で、現在建設中の仮設住宅に隣接しています。

能登半島の辺境を訪れた際の写真(Klein Dytham Architecture様提供)